こんにちは。
CELPIPとは?
CELPIPってご存知ですか?
そもそも、このサイトをご覧になっていただいているのですから、既にご存知なのかもしれません。
CELPIPとは、端的に言うとカナダの英語能力テストです。
誰が受けるの?
あなたが知っている英語のテストには何がありますか?
と聞かれたら
TOEICと英検
と多くの方が答えると思います。
TOEICと英検がメジャーな英語のテストです。特にTOEICのスコアは、企業の採用応募要件として掲げていることもあります。
でもCELPIPという英語のテストは、聞いたことがないのかもしれません。
なぜなら、CELPIPとはカナダの永住権申請に必要な英語能力を証明するためのテストの1つだからです。
つまり誰がCELPIPを受験をするかといえば☟ということになります。
英語能力テスト
カナダ永住権申請に必要なテスト
前のチャプターで、CELPIPとはカナダ永住権申請に必要な英語能力を証明するテストの1つと述べました。
実は、英語能力を証明するテストは2つあります。
それは、CELPIP GeneralとIELTS General Trainingです。
各テストの概要
CELPIPとIELTSには下記のカテゴリーがあります。
CELPIP General:
- カナダ永住権申請や専門資格称号取得に必要な英語能力を証明するテスト
- Listening, Reading, Writing, and Speakingのテスト
CELPIP General LS:
- カナダ市民権申請や専門資格称号取得に必要な英語能力を証明するテスト
- Listening and Speakingのテスト
IELTS General Training:
- アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語を公用語とした国の永住権申請や専門資格称号取得に必要な英語能力を証明するテスト
- Listening, Reading, Writing, and Speakingのテスト
IELTS Academic:
- アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語を公用語とした国のユニバーシティやカレッジなどの入学に必要な英語能力を証明するテスト
- Listening, Reading, Writing, and Speakingのテスト
永住権申請でIELTS AcademicのスコアをIELTS General Trainingに置き換えてくれる国もあるようです。
しかし、カナダでは英語能力おいてはCELPIP GeneralとIELTS General Trainingのスコアしか認められていません。
各テストの形式
CELPIPとIELTSとではテスト形式が異なります。
CELPIP
- Listening, Reading, Writing, Speakingの4 skillsすべてをコンピュータ(マウス・クリック、タイプ入力、マイク音声入力)で行います。
- Listening, Reading, Writing, Speakingのすべてをおよそ3時間で受験します。
- テスト時間ですが受験者は各自のペースに合わせて試験時間を3時間より短くすることができます。
- PCモニタ画面の右上に”NEXT”ボタンがあり、クリックすることで次の画面に進めます。ただし次の画面に進めたら、前の画面に戻ることはできません。
- 受験者によってテストの進捗状況に差がでるため、解答しているセクションが異なる要因となります。
- たとえば自分がWritingを行っている最中であっても、他の受験者がSpeakingを行っていることもありえます。
- 他人の話し声が気になって集中できないということも考えられます。
IELTS
- Listening, Reading, Writingの3 skillsに関して、Paper-based IELTSとComputer-delivered IELTS(コンピュータ入力)の選択ができるようになりました。
- テスト方式は、申し込み時に選択をする必要があります。(試験当日に選択できるわけではありません。)
- Listening, Reading, Writingの3 skillsを解答用紙記入またはコンピュータ入力で行います。
- SpeakingをExaminer(面接官)との対面で行います。
- Speakingは、一対一での受験ですから、CELPIPのように他人の話し声で集中できないということはありません。
- Listening, Reading, Writingをおよそ2時間40分で受験し、別の時間帯または別の日にSpeakingだけを受験します。
CELPIPとComputer-delivered IELTSのWritingは、解答用紙に手書きするのではなくタイプ入力で、Copy&Pasteができます。
また、単語数カウンターがあるので自分で単語数を数える必要がありません。
CELPIP
General |
CELPIP
General LS |
IELTS
General Training |
IELTS
Academic |
|
Listening | Computer | Computer | Computer or
Hand Writing |
Computer or
Hand Writing |
Reading | Computer | N/A | Computer or
Hand Writing |
Computer or
Hand Writing |
Writing | Computer | N/A | Computer or
Hand Writing |
Computer or
Hand Writing |
Speaking | Computer | Computer | In Person | In Person |
永住権申請に必要な英語レベル
カナダでは言語レベルの指標としてCLB: Canadian Language Benchmarkがあります。
カナダの移民プログラムには、FSWP: 連邦スキルド・ワーカー・プログラムやPNP: プロヴィンシャル・ノミニー・プログラムなど多くのカテゴリーがあり、要求されるCLB LevelがCLB9, CLB7,CLB5などまったく異なります。
自分の申請するプログラムをよく確認する必要があります。
なお、条件によっては、CLB Levelが不問なプログラムもあります。
CLB | Listening | Reading | Writing | Speaking |
12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
11 | 11 | 11 | 11 | 11 |
10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
9 | 9 | 9 | 9 | 9 |
8 | 8 | 8 | 8 | 8 |
7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
2 | 2 (M) | 2 (M) | 2 (M) | 2 (M) |
1 | 1 (M) | 1 (M) | 1 (M) | 1 (M) |
M: Minimal proficiency or insufficient information to assess
実際にはCLB1とCLB2というレベルはなく、どちらも”M”というレベルになります。
CLB | Listening | Reading | Writing | Speaking |
12 | 9 | 9 | 9 | 9 |
11 | 9 | 8.5 | 8 | 8 |
10 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.5 |
9 | 8.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 |
8 | 7.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
7 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
6 | 5.5 | 5.0 | 5.5 | 5.5 |
5 | 5.0 | 4.0 | 5.0 | 5.0 |
4 | 4.5 | 3.5 | 4.0 | 4.0 |
3 | 3.5 | 2.5 | 3.0 | 3.0 |
2 | 2.0 | 1.5 | 2.0 | 2.0 |
1 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
カナダの公用語は英語とフランス語です。
従って永住権申請には、英語だけではなくフランス語能力テストTEF CanadaやTCF Canadaのスコアを申請することができます。
下記スコアの証明書があれば、永住権申請の際にBilingualとして申請することができます。
- 英語CLB7以上およびフランス語NCLC5以上
- 英語CLB5以上およびフランス語NCLC7以上
なお、永住権申請するための証明書の有効期限は受験日から2年以内となっています。
CLB Descriptor
CELPIP LEVEL |
CELPIP DESCRIPTOR |
CLB DESCRIPTOR |
CLB LEVEL |
11, 12 | Advanced proficiency in workplace
and community contexts |
Fluent advanced proficiency | 12 |
11, 12 | Advanced proficiency in workplace
and community contexts |
Adequate advanced
proficiency |
11 |
10 | Highly effective proficiency in
workplace and community contexts |
Developing advanced
proficiency |
10 |
9 | Effective proficiency in workplace
and community contexts |
Initial advanced proficiency | 9 |
8 | Good proficiency in workplace
and community contexts |
Fluent intermediate proficiency | 8 |
7 | Adequate proficiency in workplace
and community contexts |
Adequate intermediate
proficiency |
7 |
6 | Developing proficiency in workplace
and community contexts |
Developing intermediate
proficiency |
6 |
5 | Acquiring proficiency in workplace
and community contexts |
Initial intermediate proficiency | 5 |
4 | Adequate proficiency for
basic daily life activities |
Fluent basic proficiency | 4 |
3 | Some proficiency in limited contexts | Adequate basic proficiency | 3 |
M | Minimal proficiency or insufficient
information to assess |
Initial or developing basic proficiency | 0, 1, 2 |
CELPIPとIELTSのどちらを受験するべきか?
私たちは☟のように感じています。
- 難易度: CELPIP = IELTS (同等)
- 解きやすい問題数: IELTSの方がCELPIPより解きやすい問題が多い
- 無回答率: CELPIPの方がIELTSより無回答になりにくい
- 試験時間: CELPIPの方がIELTSより試験時間が短い
- 受験料: CELPIPの方がIELTSより安価
一般的にCELPIPの方が簡単だと言われています。
CELPIPはカナディアン・イングリッシュで出題されますが、IELTSはブリティッシュ、アメリカン、カナディアン、オージーなど様々なアクセントの英語で出題されるからです。
つまり、日頃慣れ親しんだアクセントのCELPIPの方が聞き取りやすいからです。
Listeningの聞き取りやすさに限っていえばその通りだと思います。
しかし試験全体をじっくり考えてみますと、どちらか一方が簡単ということはないと思います。
どちらの試験を受験するのかは、受験者のタイプによって選択するべきだと思います。
難易度
公式サイトでは、Sample問題が利用できます。
また、試験対策サイトでは、ほとんどが有料ですが練習問題を解くことができます。
いくつか試したみた個人的な感想では、文法や出題単語の種類から考えると難易度は同等だと感じました。
解きやすい問題数
難易度の低い問題と解きやすい問題は、似て非なるものだと思っています。
Listening testにおいては、カナディアン・イングリッシュのみのCELPIPのアクセントは、聞き取りやすいです。
しかし、試験の出題形式はIELTSの方が解きやすいと思います。
なぜなら、IELTSの場合にはあらかじめ解答用紙またPCモニタで解答画面を見ることができるからです。
つまり問題を解く前に、後で何を聞かれるのか想像することができます。
集中して聞く箇所が絞りこみやすいのです。
一方、CELPIPは先に音声をすべて聞いた後に問題が出題されます。
つまり問題で何を聞かれるのかまったくわからないので、音声と会話のすべてに渡って聞き漏らさないようにしなければなりません。
また、CELPIPとIELTSの傾向と対策はIELTSの方がとりやすいと思います。
カナダに特化したCELPIPより汎用性の高いIELTSの方が関連書籍やWebsite数が多いからです。
対策が練りやすいということは、問題が解きやすいということになります。
無回答率
これはもしわからない問題に出くわしたとき、無回答になってしまうのか、それともとにかく解答することができるのかという違いです。
CELPIPの場合、ListeningとReadingは全て4択問題です。
まったく答えがわからなくてもとりあえずどれかを選択しておけば、25%の確率で正答となります。
IELTSの場合には、具体的な数字、固有名詞、単語などを記述するか、またはタイピングする問題があります。
従ってうっかり聞き逃した場合には、無回答の白紙になるか適当に書き入れるしかありません。
無回答となる可能性があるということです。
試験時間
CELPIPの場合には、Listening, Reading, Writing, Speakingのすべてをおよそ3時間で一気に受験します。
IELTSの場合には、Listening, Reading, WritingとSpeakingが別時間で行われるため、待ち時間を含めると拘束時間が長くなります。
逆にいえば、インターバルがとれるというメリットがあります。
受験料
受験する地域によって受験料が異なりますが、CELPIPの方がIELTSより安価であることが多いです。
CELPIP
- $280
IELTS
- $309.00 (Kitchener, Ontario only)
- $319.00 (all locations outside of Kitchener, Ontario)
- $324.00 (Computer-delivered)
IELTSの公式ページでは上記の金額となっていますが、地方、会場の違いによって上記より高額の試験会場があります。
事前にチェックしておくとよいでしょう。
結局どちらを受験するべきか
CELPIP受験が向いている人
- 解答に空欄ができてしまうことを恐れる(とにかく全問解答したい)
- カナディアン・イングリッシュに馴染んでいる
- SpeakingのマイクPC録音に抵抗がない
- 受験料は安い方がいいと思う
CELPIPのSpeakingはプレゼンテーションに似ていると思っています。
一人で一気に話しきる感覚です。
IELTSが向いている人
- 関連書籍や攻略サイトの充実性から傾向と対策がとれるメリットを選ぶ
- 解答用紙から設問内容を予想できる感覚が鋭い
- Speakingは実際の人間と行うことを好む
- IELTSの方が知名度が高いという安心感がほしい
IELTSのSpeakingはインタヴューに似ていると思っています。
人と人との会話をする感覚です。
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